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第2回公開講座

平成13年1月13日(土)
脳を語る

東京大学名誉教授
 北里大学教授   養老 孟司(ようろう たけし)

 

お話を聞いて
 社会とは、人間の表現の集大成といえます。表現はいったん成り立つと、固定し動かず残ります。これが歴史です。表現を作り出しそれを受け取る側も人間です。しかし、人間が同じ状態であり続けることは決してありえません。人は、人間こそが変わらない存在で、表現は変わるものだと思っていますが、実は逆なのです。‘昨日の私’に、今日の新しい記憶が付け加わったら、それは昨日と同じ自分だと言えるでしょうか。脳というものは、常に情報が足され変化しています。同じ状態をつくることはできないのです。『知る』『経験する』とはそういうことなのです。眼に見えない脳を知るのも脳ですから、大変難しい問題ですね。